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除去土壌等減容化・再生利用技術研究組合(VOREWS)の実証事業とは ②

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 前回お知らせした除去土壌等減容化・再生利用技術研究組合(VOREWS)の実証事業契約を見てみます。 【南相馬市 除去土壌再生利用実証事業】 南相馬市東部仮置場における再生利用実証事業|除去土壌の再生利用について|中間貯蔵施設情報サイト:環境省  「南相馬市東部仮置場は2021年9月に撤去し、本実証は、2022年3月31日で終了しました。」 初回契約(随意契約 理由の記載なし) 900132827.pdf 1回目変更(5か月の期間延長) 900132895.pdf この後、変更を6回まで重ねています。2~4回は省略します。 5回目変更  金額が一気に倍増 900133290.pdf 「専門家からの指導」とはどのようなものだったのでしょうか。手抜き説明と言わざるを得ません。 6回目の変更(最終的な清算変更) 900133317.pdf  南相馬市での実証事業は、このほかに常磐道の工事に汚染土を使う計画もありましたが、住民の反対によって白紙となりました。  2019年の集中豪雨により、ここ東部仮置き場の盛土一帯が浸水しましたが、汚染土の流出や空間線量の増加などは認められないとして問題なしとされました。  今後、全国で再利用され、同様の災害に見舞われた場合でも、環境省は「専門家を派遣する」だけで、同様の結論とされることは想像に難くありません。 左側が実証事業の盛土 (つづく)

除去土壌等減容化・再生利用技術研究組合(VOREWS)の実証事業とは ①

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 飯舘村長泥地区の汚染土再利用実証事業などを受注している「除去土壌等減容化・再生利用技術研究組合(VOREWS)」とは、どのような組織なのでしょうか。HPを久々に見ると、こんな新着がありました。 組合員が31社となりました|Vorews 除去土壌等減容化・再生利用技術研究組合  2025年04月01日  2025年3月31日に㈱オオスミが脱退しました。  引続き、除去土壌等の減容化及び再生利用技術の研究開発に努めてまいります。  その前年の3月31日にも 青木あすなろ建設(株)が脱退 しています。 お知らせした通り 、この数日前に環境省は県外の実証事業に関するVOREWSとの契約を終了しました。  本2025年3月、環境省や同組合らにとって待ちに待った「省令改正」が成立し、再生利用の基準ができたことで、これから本格的に再生利用が始まる矢先に脱退とはどうしたことでしょうか。考えられるのは、組合に加入し続けているメリットが少ないと判断したためでしょう。もちろん今後事業が決定した際には復帰することも考えられると思いますが、恐らくは新宿や所沢での猛反対の様子を見て、一筋縄ではいかないと見通しを改めたのではないでしょうか。 前身は「除染・廃棄物技術協議会」  VOREWSの前身は、「除染・廃棄物技術協議会」(すでにHPは閉鎖)であり、発起人は東京電力、事務局は三菱総研、会員企業は最盛期100社近くを集めていました。  (同協議会HPより筆者作成)   設立趣旨には、国に習って「社会的責任」と謳われており、道義的責任のみ負っていると主張することで、法的な加害責任を暗に否定している。      2011年より始まった除染と廃棄物処理の巨大国策事業を実質的に独占するために結成された談合組織です。環境省は当初から、彼らと、大学・研究所とともに、いわば産官学一体の原発事故後始末官製ビジネスを実行しているのです。  その実態を目の当たりにしたのは、「 環境放射能除染・廃棄物処理国際展(RADIEX) 」でした。この展示を取り仕切っていたのが上の協議会(主催は環境新聞社)です。 (同協議会HPより筆者作成)  環境省が 有識者検討会で使用してきた資料 にも、上記組織の作成したものが多用されています。 3者は持ちつ持たれつの関係であることが良く分かります。    2018年、同協議会は解散し...

中間貯蔵施設に新たな受入分別施設 4つの工区を拡張予定 

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  新年度最初の中間貯蔵施設環境安全委員会が2025年4月22日に開催されました。 第27回 中間貯蔵施設環境安全委員会の開催について - ふくしま復興情報ポータルサイト - 福島県ホームページ   資料 によると、次期受入・分別施設が2工区において建設され、来年度から稼働することが分かりました。 ○次期受入・分別施設の稼働に向けては、令和7年度に工事を発注(契約締結)し、施設の整備を順次進め、 令和8年度から処理を開始 することを目指す。 ○ 次期受入・分別施設は当面2か所(大熊町と双葉町に1か所ずつ) を想定しており、大熊町については 旧大熊5工区受入・分別施設テント 、双葉町については 双葉工業団地跡地 を検討している。 ○次期受入・分別施設で処理した除去土壌は、 既存土壌貯蔵施設の堰堤を嵩上げしつつ貯蔵 する予定。 大熊町側は、もとの分別施設が解体・撤去された跡地に(下左のテント内)に設置される予定。  ちなみに、これまでの受入分別施設とは、以下のものです。分別された汚染土を保管する土壌貯蔵施設と対になっており、すべて ゼネコンが受注 しています。受注総額は1工区あたり 平均1千億円を超 えています。  上記は2023年7月31日時点  中間貯蔵施設の整備の現状      2024年度内に受入分別施設はすべて解体撤去されています。  「放射能拡散に反対する会」では、 これだけの巨大な施設を解体して新たに建設することの是非、妥当性について、部品の交換で対応すべきと環境省に問い質してきました が、顧みられることはありませんでした。これまで福島県内での仮設焼却炉30基(岩手・宮城を加えると60基)の建設、解体というなりふり構わぬ大盤振舞いを再び繰り返さんばかりのバラマキ政策ではないでしょうか。  新たな建設は2か所だけではありません。 4つの工区を拡張 することも判明しました。  大熊3、5工区と双葉1、3工区を拡張する予定。  2025年度の中間貯蔵への搬入は、264,000㎥の予定。特定帰還居住区域の除染に伴う土壌が対象。  もっとも濃度の高い、溶融飛灰の貯蔵施設3つのうち1つが貯蔵完了したことも分かりました。 真ん中の施設が貯蔵完了    毎回この環境安全委員会で報告されますが、今回も 事故が多発 しており、地元の委員から厳しい指摘が相次ぎました。 ...

環境省に新設された「規制機能」とは

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 環境省は、復興再生利用等の実施に向け、基準省令やガイドラインに基づく適切な対応が行われているかを確認する体制( 規制機能 )を確保するため、2025年4月1日、「 復興再生利用・最終処分 規制審査 企画官 」を新設しました。これはIAEAから、「IAEAの基本安全原則(SF-1)に従って、規制機能は事業実施機能から独立させるべき」などの指摘を受けて実行されたものです。  福島民友の記事によると、この新ポストは「 再生利用の推進部門から独立 」しているとされています。 除染土審査の役職新設 環境省、再生利用事業者を監督 2025/04/02 08:30 福島民友  東京電力福島第1原発事故に伴う除染で出た土壌の再生利用状況を審査する国の規制機能を巡り、環境省は1日、省内に室長級の企画官ポストを新設した。再生利用の推進部門から独立し、事業実施者に計画から施工、維持管理まで各段階の対応を文書で提出させ、基準を満たしているかどうか確認する。 (略)  同局は再生利用の推進と規制の両方を同時に所管することになり、独立性の担保が課題になる。外部の学識経験者が関与する方向で調整が進むとみられるが、担当者は「まだ検討中だ」と述べるにとどめた。(略) ----------------  「独立」しているけれど、「独立性の担保が課題」とは、理解が及びません。 復興再生利用に係る適切な事業実施に向けた体制整備について 環境省幹部等職員名簿(2025年4月3日現在) (上記は抜粋)  トップにいるのは環境再生・資源循環局長。これのどこが「独立」しているのでしょうか?「審査」に「規制」を付けただけの見せかけではないでしょうか。  しかも、戸ヶ崎さんはずっと 環境省環境再生・資源循環局環境再生事業担当参事官室 の企画官だった方ですから、恐らくもとの部署のすぐお隣で、事業者の書類審査などをなさるのではないでしょうか。もとの部署でやっても同じこと、名ばかり規制官と言わざるをえません。

県外の汚染土再利用実証事業、実施されず契約終了 2億円の使途は

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 環境省の汚染土再利用実証事業が実施されないまま、2024年3月末で契約が終了していることが分かりました。環境省は地元住民団体や当会らの再三にわたる質問に対し、このことを一度も伝えず、未だに実証事業の計画は継続していると説明しています。  契約金額は5億円から2億円へ減額されました。実施されなかった事業に対し、2億円が支払われるのは不可解です。何を対象としているのでしょうか。 契約内容 (3回変更)  出典は こちらから 、一番下の 【令和4年度繰越業務】・令和4年度除去土壌再生利用技術等実証事業[当初~第3回変更] です。 ①最初の契約 随意契約の理由 ②1回目の契約変更  新宿と所沢の住民から反対の声が強く、「調整」が必要なため、業務を2か月休止することとなり、工期を2か月延期。(2か月で再開、工事を実施できると判断したとすれば、強引であったのではないでしょうか?) ③2回目の契約変更   「 輸送における技術的検討において、作業における課題への対応等 に不測の日数を要するため」(意味不明)1年延期。 ④3回目の契約変更  工期終了日が更新されず、 事実上の契約終了 。  契約金額が 5億円から2億円へ減額 。  理由は、「 福島県外3箇所に於ける実証事業について工期内に進める事が困難となった ための減、また、福島県内に於ける 新たな検討業務 が追加変更となった。」  実証事業にはほとんど費用は発生していないと考えられます。「新たな検討業務」とはどのようなもので、どのくらい金額がかかったのか、明らかにすべきです。

三鷹市議会「放射能汚染土」の再利用中止・撤回を求める意見書を提出

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 3月27日、三鷹市議会は「放射能汚染土」の再利用中止・撤回を求める意見書を可決成立し、31日総理大臣、総務大臣、環境大臣、復興大臣に送付しました。  三鷹市議会の英断を高く評価し、この動きが他の地方議会にも広がることを望みます。 三鷹市議会意見書

4月1日改正省令施行 沈黙の大臣会見

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  昨日4月1日、改正省令が施行されました。  この日環境大臣が 記者会見 を行い、1日付で施行された省令について発表しましたが、 20万件ものパブコメが寄せられた同省令には一言も触れず、発表したのは地域 生物多様性増進法のみという不自然さでした。 地域生物多様性増進法の施行及び同法に基づく申請の受付開始について | 報道発表資料 | 環境省  記者からの質問でも誰一人取り上げず、またぞろ金融・投資の話をして4分で終了しました。 以下、会見動画の文字起こし機能より若干修正して転載します。  本日から施行される法律について冒頭発言をいたします。  昨年4月に成立いたしました地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律、通称地域生物多様性増進法が本日令和7年4月1日から施行されます。  この法律は令和5年度から先行して進めてきた自然 共生 サイトの取り組みを法正化するものでありまして、環境大臣をはじめとした主務大臣が活動計画を認定することで、ネイチャーポジティブの実現に向けた企業等の活動を全国各地でさらに促進できるものと考えています。  なお本日から認定事務局である独立行政法人環境再生保全機構において、本法律に基づく自然共生サイト認定の申請受付を開始いたします。 私からは以上であります。  ではご質問に入ります。まず幹事者の 時事通信 吉田さんお願いします。  おはようございます幹事者の時事通信吉田です。  トランプ政権発足後に、脱 炭素 を目指す金融機関の国際的な枠組ネットゼロバンキングアライランスからの離脱団体が国内でも相次いでいます。このことについての受け止めをお願いします。  またこのこうした動向により民間の気候変動対策への影響はあるとお考えでしょうか。 (浅尾大臣)国内の金融機関がNZBAネットゼロバンキングアライアンスから離脱 し たとの報道については承知をしております。NZBAは民間のイニシアティブでありまして政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。  その上で一般論として申し上げますと脱酸素の取り組みはに関しては地方政府 、 経済会、NGOなど様々なステークホルダーにも広く浸透しており大きな流れは変わらないという風にということであります。  先月も、関係金融業界等が一度に会するESG金融ハイレベルパネルに私自身も出席し、グリ...