環境省に新設された「規制機能」とは

 環境省は、復興再生利用等の実施に向け、基準省令やガイドラインに基づく適切な対応が行われているかを確認する体制(規制機能)を確保するため、2025年4月1日、「復興再生利用・最終処分規制審査企画官」を新設しました。これはIAEAから、「IAEAの基本安全原則(SF-1)に従って、規制機能は事業実施機能から独立させるべき」などの指摘を受けて実行されたものです。

 福島民友の記事によると、この新ポストは「再生利用の推進部門から独立」しているとされています。

除染土審査の役職新設 環境省、再生利用事業者を監督

2025/04/02 08:30 福島民友

 東京電力福島第1原発事故に伴う除染で出た土壌の再生利用状況を審査する国の規制機能を巡り、環境省は1日、省内に室長級の企画官ポストを新設した。再生利用の推進部門から独立し、事業実施者に計画から施工、維持管理まで各段階の対応を文書で提出させ、基準を満たしているかどうか確認する。

(略)

 同局は再生利用の推進と規制の両方を同時に所管することになり、独立性の担保が課題になる。外部の学識経験者が関与する方向で調整が進むとみられるが、担当者は「まだ検討中だ」と述べるにとどめた。(略)

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 「独立」しているけれど、「独立性の担保が課題」とは、理解が及びません。


復興再生利用に係る適切な事業実施に向けた体制整備について


環境省幹部等職員名簿(2025年4月3日現在)(上記は抜粋)

 トップにいるのは環境再生・資源循環局長。これのどこが「独立」しているのでしょうか?「審査」に「規制」を付けただけの見せかけではないでしょうか。


 しかも、戸ヶ崎さんはずっと環境省環境再生・資源循環局環境再生事業担当参事官室の企画官だった方ですから、恐らくもとの部署のすぐお隣で、事業者の書類審査などをなさるのではないでしょうか。もとの部署でやっても同じこと、名ばかり規制官と言わざるをえません。


コメント

  1. 民友記事によれば「新ポストは「復興再生利用・最終処分規制審査企画官」で、再生利用の実務を担当する環境再生・資源循環局長の直轄とした。担当者と計2人を専従させる。」となっている。

    これって、「規制審査官」などと名前をつけて完全なゴマカシ。羊頭苦肉のたぐい。
    「再生実務担当の資源循環局長の直轄」つまりは、再生実務にあたって、
    事業実施者の審査をする、再生実務推進の一機能ではないの?いくらなんでも実務推進で申請したら
    全て認めるということはあり得ない。あくまでも、「再生利用実施者審査官」というべきものだ。

    IAEAが指摘した「運用機能から独立した機能」「事業者機能と規制機能の独立性の維持、実証」とは
    ほど遠い。

    環境省は、こうやって微妙に意味をすり替えてごまかす。酷いな~!!

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    1. kazuさん、コメントありがとうございます。おっしゃるとおりですね。IAEAがどのような判断をするか再評価してもらうべきです。環境省がネーミングに「規制」をつければ規制機関になるなどと考えているのであれば、あまりにもお粗末で、ごまかしにも達していません。

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