汚染土再利用が軍事に貢献?!
環境省が新たな動画をウェブ上にアップしました。
大人の教養TV
【福島第一原発10km圏内】立ち入り制限エリアから見た被災地の今
「大人の教養TV」ドントテルミー荒井さんが福島の現地を訪問し、環境再生事業、そして福島の未来について解説!
再生時間 00:56:53 YouTubeで動画を見る
0:00 オープニング
1:31 福島県浜通り地区の概要
2:16 東日本大震災
7:00 津波の被害
8:59 請戸小学校
17:52 福島県の犠牲者・行方不明者
20:26 原発事故
26:04 立ち入り制限の解除
29:16 解除後の課題と復興
38:36 立ち入り制限エリアへ
39:20 サンライトおおくま
42:29 中間貯蔵施設
52:59 エンディング
まず、若い人を何の装備もなく帰還困難区域で取材させ、安全性をPRするこの企画に強く抗議したいと思います。その上で内容を点検。 38分ごろから中間貯蔵施設の紹介になります。どのようなことが語られているでしょうか。
まず驚いたのは、中間貯蔵施設内に貯蔵されている汚染土は10トントラック200万台分ということです。このうち150万台分を再生利用に、50万台分を最終処分にする、という計画を環境省は示しています。東京ドーム11杯分よりも、その「とてつもなさ」が分かりやすいのではないでしょうか。
今、環境省は脱炭素を掲げた政策を経済産業省とともに強力に進めています。汚染土の再利用もこの枠組みに組み込まれる可能性を大変危惧します。
中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会(15回)P.3で環境省はこのように説明しています。
「除去土壌の再生利用は、地域の復興や再生のための持続可能なプロセスである、
除去土壌は元々貴重な資源であるため、再生利用にはポジティブな理由があり、推進すべきものである」
同検討会委員の佐藤努北海道大学教授はこのように提案しています。
「環境省は、カーボンニュートラルの分野で、残用カーボンをクレジットとして買った分を、除去土壌を受け入れた自治体に付与するなど、新たな価値観、アイデアが必要だ。山からの土はCO2が出るが、除去土壌はあるものなので、CO2が出ないとカウントすればいい。」
冗談ではありません。兆候は少し前からありました。
三春町の環境創造センター・コミュタン福島では、昨年展示の一部変更があり、放射能関係が減らされ、温暖化をテーマとするものに置き換えられています。
日経新聞の報道(「リサイクル政策も経済安保重視 経産省が戦略づくりへ」 2022年5月19日)によると、希少金属を中国依存から脱却するためリサイクルを徹底するということです。経済安保(経済安全保障)とは軍事のことであるというのは、徐々に周知されつつあります。
つい先週のことです。
資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案(閣議決定)
環境省は同法を2024年4月4日に衆議院に提出、同12日に可決されました。どのような法案なのでしょうか。
「資源循環は、ネットゼロ(我が国排出量の約36%を占 める分野の削減に貢献可能)のみならず、経済安全保障 (資源の安定供給の確保)や地方創生など社会的課題の解決に貢献でき、あらゆる分野で実現する必要」と書かれています。

より筆者加筆
「地方創生」とは、過疎化の進む地方に人材を送り込み、「デジタル田園都市国家」の名称で全国をデジタル化する国策です。その人材は、国から派遣される(元)官僚や企業エリートで、彼らが地方行政をコントロールし、デジタルとセットになった新たなビジネスを展開するよう誘導するもの。国から交付金を引き出して彼らが手掛ける企業に与え、そこで生み出した利益はそれらに投資する大資本が一見分からないように吸い上げる。このように筆者は理解しています。
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