汚染土受入れ先候補住民に「半構造化面接」で成績表を作成?

 国立環境研メルマガより、以下のお知らせがありました。

  山田 一夫 フェローが一般社団法人環境放射能とその除染・中間貯蔵及び環境再生のための学会より優秀口頭発表賞を受賞|2025年度|国立環境研究所

「環境研究総合研究費SII-9「中間貯蔵施設周辺復興地域の融合的な環境再生・環境創生に向けた研究」において、放射能汚染した土壌や廃棄物の減容化のため、汚染廃棄物の熱処理により生じる飛灰からのセシウム濃縮の研究をしてきました。https://s2-9.com/ 」(以下略)

 環境研究総合研究費SII-9というのは、以前お伝えしたこちらの研究などに該当するものです。

最終処分は最大7億ベクレル、ドラム缶25本分 環境省が20日に考え方を公表

プロジェクト全体の予算:年間総額1億円以内  3年間で3億円以内(令和4-6年度) 


 2025年度からは新たな研究が開始されています。

研究概要 – 推進費SII-9 中間貯蔵施設周辺地域の融合的な環境再生・環境創生研究


研究概要の要点を挙げてみます。

  1. 減容技術システムのシナリオ評価
  2. 安定化体(最終廃棄体)の長期安定性を評価するための試験評価法
  3. 県外最終処分施設の要求性能
  4. 被災地域のコミュニティを再構築するための将来環境デザイン
  5. 里地里山を再生し、将来デザインに対応した生態系サービスを試算する研究
  6. 様々な処分オプションの社会受容性の評価、さらに多元的公正および、環境・社会・経済面を考慮した合意形成フレームワークを立案
     社会受容性評価として、半構造化面接および郵送法によるアンケートによって、1.廃棄物の性状や処分場立地・箇所数、合意形成プロセスに応じた社会受容性の評価および2.立地選定や区域内土地利用において、ステークホルダーに応じた重要指標の評価を行う(以下略)

 「半構造化面接」とは、聞きなれない言葉です。調べると、

・事前に用意した質問を決まった順番で行ったのち、面接官が各候補者に向けて自由に質問する面接手法

・事前に決めた質問に加えて求職者に合わせ自由に質問していく形式の面接手法

つまり、企業が求職者を採用する際の面接手法を、県外最終処分と汚染土再生利用の受け入れ地域関係者に対し適用するということです。

 「面接」の結果、協力的なステークホルダーか否かだけでなく、「ステークホルダーに応じた重要指標の評価」つまり個人情報を集めた成績表のようなものを作り、「立地選定や区域内土地利用」に活用するということです。
 上から目線で住民を著しく愚弄するものではないでしょうか。

また、 構造化面接の場合には「機械的・威圧的な印象」、半構造化面接の場合には「和やかな印象」というように、候補者が受ける印象も異なることがある

 などの傾向があるようですから、「和やかな」語り口で「福島の復興」に寄与できますよと誘導することも容易に想像できます。

 「全国民的な理解醸成」活動はまさしくそのようにして進められているのです。





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