中間貯蔵から最終処分までの総コスト、最大5兆円超 地元紙試算

 中間貯蔵施設から汚染土再利用、減容化、最終処分までの総コストが最大4兆円~5兆円超になるとの試算結果を、地元紙の福島民友が独自に出していることが分かりました。

 環境省は未だ全コスト試算を明らかにしていませんが、福島民友は「公式資料に掲載された処理単価などの情報に取材を加味し、全体のコストを試算した」としています。
 また低濃度土壌の再生利用費は、搬出先までの距離などによるが、学識経験者でつくる環境放射能除染学会は21年、一定の条件下で8328億円と概算していることも分かりました。

県外最終処分のコスト(福島民友社試算)

a: 減容化の処理コスト
b:再生利用 8328億円
c:中間貯蔵(45年まで)2兆2000億円
総コスト(a+b+c)は最大4兆~5兆円以上(シナリオ4の場合)
【最終処分まで20年・約束の行方】コスト試算、将来負担数兆円か 福島民友 2025年7月1日より、表は同記事より再現

 まさしく汚染土は宝の山です。
 そして、もっともコストがかかるのはやはり減容化です。
 以下は、NHK記事より引用したものです。詳細は不明ですが、金額が異なります。

大迫政浩国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長(当時)の話
 除染廃棄物の再生利用が9割以上で実現でき、処分は福島県外で行うという条件で、最終処分が必要なのは全体の8%にあたる113万立方メートルとなり、処分場の建設や輸送などを考慮した費用は最低でも4401億円と算出
放射性物質を濃縮する処理を行って最終処分量を1900立方メートルまで減らすケースでは6756億円がかかる
 (NHK政治マガジン2021年2月26日「注目記事」)すでに削除

 大迫氏は同記事で「再利用を進めないと費用はもっと増える」と脅迫的なコメントをしています。


 環境省は莫大なおカネをかけながら「全国民的な理解醸成」を進める一方で、かかる総コストについては未だに「検討中」。除染が始まってから15年、これ以上の言い訳は通用しないでしょう。(最初に示すべきだと思いますが。)

コメント

  1. 中間貯蔵(45年まで)しているだけで2兆2000億円かかる?それともまた金のかかる廃棄物処理をするから?

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    1. コメントありがとうございます。中間貯蔵2兆2000億円は、整備費用で、すでに使い切っています。詳細な内訳・明細は公表されていませんが、もっとも費用の大きいものとして受入・分別施設7工区、土壌貯蔵施設8工区、これだけで1兆円くらいかかっているはずです。減容化施設(双葉町・大熊町)あわせて8千億円ほど、廃棄物貯蔵施設2、汚染土保管場多数、これで2.2兆円くらいいっているでしょう。費用が足りないので、エネルギー特別会計を改正して石油石炭税から使えるようにした経緯があります。
      しかも搬入する汚染土の量は三分の二に減っているにも関わらず費用が膨張し続けているのです。メディアも一切報道していませんね。

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