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環境省が伝えない中間貯蔵施設内の高線量を東京新聞が明らかに

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★福島県による測定結果を追加しました。最下段をご覧ください。   2026年1月12付の東京新聞「 こちら原発取材班 汚染土の行方は?中間貯蔵施設内を地権者と訪ねて 」に掲載された 中間貯蔵施設内外の空間線量マップ を見て驚きました。 これは、東京新聞の山川剛史者と中間貯蔵施設地権者の門馬好春さんが、半日をかけて高い放射能に晒されながら測定された貴重な結果です。  掲載されている中間貯蔵施設内の空間線量率のほとんどが 1.0~10.0μ㏜/h という高い数値で、 10.0μ㏜/h超 も5カ所観測されています。  筆者はこれまで中間貯蔵施設を15回近く見学していますが、バス見学のため測定できたのは走行中の車内と2、3か所の降車場所のみで、いずれも近年では数μ㏜/hを超えるような数値は観測されませんでした。しかも、降車場所のうち覆土された汚染土の山である「土壌貯蔵施設」の上は 0.2μ㏜/h を少し超える程度で、文字通り 見学者に汚染土再生利用の「安全安心」を伝える「理解醸成」の場 として利用されているのが現状です。 中間貯蔵施設 大熊町側見学コース 赤い●が 土壌貯蔵施設 の降車場所 見学者に線量計を渡して線量を測らせる⇓ 中 間貯蔵事業情報センター 中間貯蔵施設   現地見学会情報|福島、その先の環境へ。|環境省     公式サイト では、ご覧の通り 1μ㏜/hを超えるところはほとんどありません 。 連続モニタリング 2026年1月16日12時頃  上記の赤い●で示した降車スポット( 0.2μ㏜/h 程度)からもっとも近いのは、 0.57μ㏜/h となっています。  これに対し、東京新聞の 記事 (❹の真上)では 4.0~10.0μ㏜/h となっています。その周囲もこれに匹敵する高い数値です。 見学会ではこのような数値はまったく知らされません 。   環境省は最近では 小学生まで見学対象者を広げています が、 このような高汚染地帯に子どもや若い人を入れるべきではありません。  環境省の理解醸成活動では、「環境リテラシー」や「自分のものさし」を持てなどと言う「専門家」がいますが、正確な情報をまず伝えるべきではないでしょうか。不都合な情報を隠蔽した上での若者をターゲットとした理解醸成は洗脳であると言わざるをえません。   もっとも危険なのは、大気中を無数に浮遊し...

汚染土 2027横浜市花博で活用検討

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  2025大晦日に見過ごせないニュースがありました。 福島県内の除染土 花博で活用検討 2027年政府 安全性、理解醸成へ | 福島民報 公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会【横浜・上瀬谷開催】  汚染土再生利用の省令改正パブコメは正月明けでした。年末年始のニュースは要注意です。 (記事の要点) 政府が中間貯蔵施設の汚染土のうち放射性物質濃度が比較的低いものを、横浜市で開かれる 国際園芸博覧会(花博) に活用することを検討 花博は2027(令和9)年3月から半年間開催され、国内外から1千万人以上の来場を見込む。期間は2027年3月19日から9月26日まで 場所は2015(平成27)年に米軍から返還された 旧上瀬谷通信施設 の約100ヘクタール。博覧会の種別で最上位「A1クラス」に当たり、国内での開催は1990年の「大阪花博」以来、37年ぶり。 会場建設費は320億円、運営費は360億円。 11月の衆議院国土交通委員会 では草間剛衆院議員(自民、神奈川19区)が汚染土の活用について質問。環境省幹部が大阪・関西万博で除染土壌を使った鉢植えを展示し、多くの来場者に再生利用の必要性や安全性の理解が進んだ点に触れた上で、「万博での実績を踏まえ、関係省庁と相談し検討を進めていきたい」と答弁した。 同省の担当者は福島民報社の取材に対し、「現時点で国会での答弁以上のことは何もない」としている。 「11月の衆議院国土交通委員会」 議事録 より抜粋します。 ○草間委員 ありがとうございます。 (略)また、今回の花博は横浜市の事業ではなく国家事業でございますので、国においては、今年、福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けた復興再生利用等の推進に関するロードマップが策定をされました。総理大臣官邸、また霞が関の中央官庁の花壇等へのこの復興再生土の利用を既に実施をされております。原発事故で深刻な被害を受けた福島のふるさとを取り戻し、福島の復興を進めるため、復興再生土の利活用は全国で考えなければならない課題です。国家事業である二〇二七国際園芸博覧会での復興再生土の活用は大きな意義があると考えます。  そこで、二〇二七国際園芸博覧会での復興再生土の利活用を検討すべきと考えますけれども、参考人に伺います。 ○西村政府参考人(環境省大臣官房審議官) 西村 治彦  お答え申し上げます...

浸出水処理施設まで更新 受入・分別+土壌貯蔵施設とセットで

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 中間貯蔵施設内の除去土壌を一次処理する受入・分別施設とそれを埋め込む土壌貯蔵施設。これまでに 少なくとも数千億円 が費やされてきましたが、環境省は昨年これらをすべて解体・撤去し、新たに設置する計画を立てています。   放射能拡散に反対する会では、 老朽化したのであれば部品の交換で対応すべき と環境省に問い質してきましたが、なりふり構わぬ大盤振舞いのバラマキ政策を続けています。   中間貯蔵施設に新たな受入分別施設 4つの工区を拡張予定     新規の受入・分別施設+土壌貯蔵施設は、 大熊町側:178億円   双葉町側:214億円  そればかりでなく、土壌貯蔵施設に付属する浸出水処理施設まで交換することが分かりました。環境省へ問い合わせたところ、何ら不具合が発生したなどではなく、受入・分別施設の入れ替えに合わせて 「この際だから」セットで交換 することにしたのだそうです。  交換するのは4か所の浸出水処理施設で 68億円 。上記と併せて 約461億円 です。 浸出水処理施設の一例 000348824.pdf 以下、 中間貯蔵施設事業の状況等について  より 青色とオレンジ色の〇囲みおよび下線は筆者 ★大熊4工区は、土壌貯蔵施設の拡張はせず、受入・分別施設のみ設置(?) ★双葉3工区は、もともと受入・分別施設はなかったが、今回新規に設置(?) 注)土壌貯蔵工区の欄は、双葉3工区と大熊3工区が逆と思われます   あくまでもこれは中間貯蔵施設に係る費用のうちのほんの一部に過ぎません。

汚染土受入れ先候補住民に「半構造化面接」で成績表を作成?

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 国立環境研メルマガより、以下のお知らせがありました。    山田 一夫 フェローが一般社団法人環境放射能とその除染・中間貯蔵及び環境再生のための学会より優秀口頭発表賞を受賞|2025年度|国立環境研究所 「環境研究総合研究費SII-9「 中間貯蔵施設周辺復興地域の融合的な環境再生・環境創生に向けた研究 」において、放射能汚染した土壌や廃棄物の減容化のため、汚染廃棄物の熱処理により生じる飛灰からのセシウム濃縮の研究をしてきました。 https://s2-9.com/  」 (以下略)  環境研究総合研究費SII-9というのは、以前お伝えしたこちらの研究などに該当するものです。 最終処分は最大7億ベクレル、ドラム缶25本分 環境省が20日に考え方を公表 プロジェクト全体の予算: 年間総額1億円以内   3年間で3億円以内(令和4-6年度)   2025年度からは新たな研究が開始されています。 研究概要 – 推進費SII-9 中間貯蔵施設周辺地域の融合的な環境再生・環境創生研究 研究概要の要点を挙げてみます。 減容技術システムのシナリオ評価 安定化体(最終廃棄体)の長期安定性を評価するための試験評価法 県外最終処分施設の要求性能 被災地域のコミュニティを再構築するための将来環境デザイン 里地里山を再生し、将来デザインに対応した生態系サービスを試算する研究 様々な処分オプションの社会受容性の評価、さらに多元的公正および、環境・社会・経済面を考慮した合意形成フレームワークを立案  社会受容性評価として、 半構造化面接 および郵送法によるアンケートによって、1.廃棄物の性状や処分場立地・箇所数、 合意形成プロセスに応じた社会受容性の評価 および2. 立地選定や区域内土地利用 において、 ステークホルダーに応じた重要指標の評価 を行う(以下略)  「半構造化面接」とは、聞きなれない言葉です。調べると、 ・事前に用意した質問を決まった順番で行ったのち、面接官が各候補者に向けて自由に質問する面接手法 ・事前に決めた質問に加えて求職者に合わせ自由に質問していく形式の面接手法 つまり、 企業が求職者を採用する際の面接手法を、県外最終処分と汚染土再生利用の受け入れ地域関係者に対し適用する ということです。   「面接」の結果、協力的なステークホルダー...

中間貯蔵から最終処分までの総コスト、最大5兆円超 地元紙試算

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 中間貯蔵施設から汚染土再利用、減容化、最終処分までの総コストが最大4兆円~5兆円超になるとの試算結果を、地元紙の福島民友が独自に出していることが分かりました。 トップ 東日本大震災 震災特集 【最終処分まで20年・約束の行方】コスト試算、将来負担数兆円か 2025/07/01 09:15  環境省は未だ全コスト試算を明らかにしていませんが、福島民友は「公式資料に掲載された処理単価などの情報に取材を加味し、全体のコストを試算した」としています。  また低濃度土壌の 再生利用費 は、搬出先までの距離などによるが、学識経験者でつくる環境放射能除染学会は21年、一定の条件下で 8328億円 と概算していることも分かりました。 県外最終処分のコスト(福島民友社試算) a: 減容化の処理コスト b:再生利用 8328億円 c:中間貯蔵(45年まで)2兆2000億円 総コスト(a+b+c)は最大4兆~5兆円以上(シナリオ4の場合) 【最終処分まで20年・約束の行方】コスト試算、将来負担数兆円か 福島民友 2025年7月1日より、表は同記事より再現  まさしく 汚染土は宝の山 です。  そして、もっともコストがかかるのはやはり減容化です。  以下は、NHK記事より引用したものです。詳細は不明ですが、金額が異なります。 大迫政浩国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長(当時)の話  除染廃棄物の 再生利用が9割以上で実現でき、処分は福島県外で行うという条件 で、 最終処分 が必要なのは全体の8%にあたる113万立方メートルとなり、処分場の建設や輸送などを考慮した費用は 最低でも4401億円 と算出 放射性物質を濃縮する処理を行って最終処分量を1900立方メートルまで減らすケースでは 6756億円 がかかる  (NHK政治マガジン2021年2月26日「注目記事」)すでに削除  大迫氏は同記事で「再利用を進めないと費用はもっと増える」と脅迫的なコメントをしています。  (参考)過去の本ブログより  最終処分は最大7億ベクレル、ドラム缶25本分 環境省が20日に考え方を公表  環境省は莫大なおカネをかけながら「全国民的な理解醸成」を進める一方で、かかる総コストについては未だに「検討中」。除染が始まってから15年、これ以上の言い訳は通用しないでしょう。(最初に示すべきだと思いますが。)

中間貯蔵施設に新たな受入分別施設214億円 説明あいまい

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  4月22日に本ブログでお伝えしました、 中間貯蔵施設に新たな受入分別施設 4つの工区を拡張予定  の落札価格が一部公表されました。 受入・分別施設の例  双葉①工区 | 中間貯蔵施設情報サイト:環境省 000341652.pdf 大林・大本・西部JV  214億円(4年間)  工事場所は福島県双葉郡双葉町地内 外 となっています。予定では双葉町側と大熊町側両方に整備することになっているので、大熊町側はこれから決定されると思われます。  大林組はこれまで受入・分別施設+土壌貯蔵施設のセット(1工区あたり平均1千億円超)を2つの工区で受注しているほか、双葉町側の仮設焼却施設のうち仮設灰処理施設を受注しています。この仮設施設は双葉町側のみで7千億円を超えています。  巨大な仮設灰処理施設を建設している様子。おびただしいクレーン車は、まるで都心部の高層ビル建設工事を連想させます。   福島・双葉町の中間貯蔵施設で震災復興を加速 | OBAYASHI Thinking|大林組    今回の新たな受入・分別施設は、これまで使用していたものを全面撤去して新たに建設することとなりましたが、これについて部品交換で済むのではないかと環境省ヒアリングで質してきました。しかし説明はまったくあいまいなものでした。  元プラント技術者の青木一政さん(ちくりん舎)のコメントです。  中間貯蔵には受け入れ・分別施設と焼却炉、埋設場所までの長大なコンベアライン等立派な設備が設置されていた。それらは皆撤去された。新たに受け入れ計画があることが分かっていながら何故、撤去したのか昨年質問した。その時の環境省資源循環局のS氏の答え。  「まず、耐用年数というのは、例えば、ベルトコンベアで言えば、大体2、3年ぐらいに交換で、それを過ぎても騙し騙し使うことはできるんですけれども、そういった維持管理の費用がどんどんかかっていって、要は、費用が当初動き出した時よりは、年間どんどんどんどん維持管理の費用が重んで・・」 と悪徳リフォーム業者の言葉をそのまま、繰り返すような答えだった。  フレコンバックカッター歯やコンベアベルトなど消耗品は変えれば良い。しかし、解体施設の建屋設備や、長大なコンベアラインの鉄骨構造設備などは数十年も使えるはず。そもそも、原発を40年から60年も使おうと言っている一方で...

汚染土を使う陶芸、土壌の販売も 若者による「風評払拭」プロジェクト続々

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 廃炉や除染関連などの膨大な原発事故後始末事業に加え、復興政策「福島イノベーション・コースト構想」と称する産業復興のために莫大な予算が投じられています。最近目立つのが、国の事業「地方創生」による若者を対象とした被災地イベントと移住の呼びかけです。地方創生のほとんどは東京に本社を置くコンサルが手掛けているようです。  福島でのその数たるや、日々情報を追いかけても到底収集しきれないほどですが、中でも本ブログがテーマとする除染・廃棄物関連で、これは特に問題と思われるものを上げてみます。   【8/16(土)開催】双葉町の土で陶芸体験!  | HAMADORI CIRCLE PROJECT (以下、本文より引用) 合同会社toten として、HAMADOORI CIRCLE PROJECT(https://hamadoori-circle.com/)に採択いただき、福島県双葉町が抱える土壌の問題に対し、アートの視点から可能性を拓く「未完成の陶芸プロジェクト(別称:FUTABA TOUGEI PROJECT)」をおこなっています。 プロジェクトの背景 2011年の東日本大震災で全町避難となった双葉町は、今も課題に直面しています。 その一つが、町の面積の多くを占める中間貯蔵施設に保管されている、膨大な量の土壌や廃棄物です。 この土壌は、かつて農業や畜産で町を支え、快水浴場百選に選ばれるほどの海水浴場をつくり、伝統工芸品「大堀相馬焼」の粘土としても使われたことのある、とても豊かなものです。 しかし現在は、放射能汚染や県外最終処分に関連する報道などネガティブなイメージと分かちがたく結びついています。 本プロジェクトはこの「土」を安全かつ創造的に活用する一つの事例となることを目指しています。 (略) 主催 : 合同会社toten 協力: 相馬妙見初発神社・東北大学・福島大学 復興・再生まちづくり研究コンソーシアム (引用ここまで)    合同会社totenの共同代表 川上友聖さんの紹介ページが「 双葉町移住・定住情報サイト 」にありました。これによると、川上さんの祖母は浜通り出身で、叔父は原子力発電所に勤めておられたものの、ご自身は浜通りとは縁遠かったとのこと。転機になったのは、 立命館大学の「チャレンジ、ふくしま塾。 」。地域で活躍する人や様々な事業に触発され、双葉町に拠点...